効果意思(読み)こうかいし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「効果意思」の意味・わかりやすい解説

効果意思
こうかいし

意思表示が成立する要素うち,表意者が一定効果発生を欲する意思をいう。たとえば,この馬を買いたいという意図がこれにあたる。効果意思はさらに表意者の内心で欲する意思 (内心的効果意思) と意思表示として外部に表示したところ,すなわち表示行為から推断される意思 (表示上の効果意思) とに分けられる。ただし単に効果意思という場合には,内心的効果意思を意味するのが普通の用法である。法律行為の効果は,表示上の効果意思に従って与えられるが,それと内心的効果意思が合致しないときは,原則としてその意思表示は無効となる。 (→心裡留保 , 虚偽表示 , 錯誤 )

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世界大百科事典(旧版)内の効果意思の言及

【意思表示】より

…このため意思表示は,私人が自己の法律関係をみずから定めることができるという要請に直接かかわるものである。 ところで,人が意欲したことを外部に表示するというのは,人の精神作用であり,これを心理的経過に即して分析すると,(1)事業をしたい(動機)→(2)資金が必要だ(動機)→(3)土地を500万円で売却しよう(効果意思)→(4)売却することを相手方に言おう(表示意思)→(5)〈土地を500万円で買ってくれないか〉と相手方に表示(表示行為)の順序で形成される。意思表示は,そのうちの(3)~(5)の部分を意味する。…

※「効果意思」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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