動眼神経麻痺
どうがんしんけいまひ
Oculomotor nerve palsy
(眼の病気)
動眼神経内を走行する副交感神経が障害されると、瞳孔不同が起こります(患眼が散瞳)。
出血、梗塞、血流障害、外傷や腫瘍などさまざまな原因で起こりますが、脳動脈瘤(内頸動脈・後交通動脈部動脈瘤)による圧迫がとくに重要です。
瞳孔不同(瞳孔散大)以外に、眼瞼下垂、眼球運動障害による麻痺性斜視、両眼性複視(だぶって見える)を伴います(図61)。とくに頭痛を伴う場合は脳動脈瘤が原因である可能性が高く、破裂すると、致命的なくも膜下出血に至る危険がありますので、緊急に脳外科での検査と処置が必要です(未破裂脳動脈瘤)。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
世界大百科事典(旧版)内の動眼神経麻痺の言及
【脳卒中】より
…(3)くも膜下出血は突然激しい頭痛をもって始まることが特徴である。発作以前に動脈瘤による圧迫症状として動眼神経麻痺(瞳孔が開いたり眼球運動が障害される)や視野・視力の障害,痙攣などがおこることがある。意識障害は多くは一過性で軽度のことが多く,ない場合もある。…
※「動眼神経麻痺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」