動粘性率(読み)ドウネンセイリツ

デジタル大辞泉 「動粘性率」の意味・読み・例文・類語

どうねんせい‐りつ【動粘性率】

流体粘性の度合い。粘性率密度で割った値。国際単位系では平方メートル毎秒(m2/s)、CGS単位系ではストークスSt)が用いられる。動粘度動粘性係数

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化学辞典 第2版 「動粘性率」の解説

動粘性率
ドウネンセイリツ
kinematic viscosity

粘度,運動粘度ともいう.流体の内部抵抗を示す物性で,粘度(粘性率)ηを密度ρで割った値.記号はη/ρまたはν.τをずり応力,dv/dyを速度勾配(v壁面からy離れた点の流速)とすると,流体の粘性に関するニュートン法則は,次式で表される.

ρv単位体積当たりの運動量であるから,η/ρは運動量移動の拡散係数である.動粘度の単位はストークSt(cm2 s-1=10-4 m s-1)で,ストークの1/100をセンチストーク cSt という.

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百科事典マイペディア 「動粘性率」の意味・わかりやすい解説

動粘性率【どうねんせいりつ】

流体の粘性率をその密度で割った数。動粘度とも。単位は国際単位系ではm2/s,CGS単位ではストークス(St)で,1St=10(-/)4m2/sである。粘性流体の流れの状態は動粘性率で支配される。気体では粘性率は小さいが密度が小さいため動粘性率は大きい。→粘性

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「動粘性率」の意味・わかりやすい解説

動粘性率
どうねんせいりつ
kinematic viscosity

動粘性係数ともいう。粘性率 μ と密度 ρ との比 ν=μ/ρ を動粘性率という。 SI 単位は m2/s ,CGS 単位はストークス (記号 St ,cm2/s ) である。粘性力の大きさ自身は粘性率 μ の値によって決るが,粘性流体の流れの性質は粘性力と慣性力との比によって決るので,その意味では動粘性率 ν の値のほうが重要である。気体では液体に比べて,粘性率 μ の値は小さいが,逆に動粘性率 ν の値は大きい。 (→ナビエ=ストークス方程式 )

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岩石学辞典 「動粘性率」の解説

動粘性率

流体の粘性率ηを密度ρで割った値ν=η/ρ.粘性流体の中を動く物体に働く力は粘性率そのものによるのに対して,流れの状態は動粘性率に支配される.単位は国際単位系ではm2/sである[長倉ほか : 1998].

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世界大百科事典(旧版)内の動粘性率の言及

【ストークス】より

…動粘度(動粘性率)の単位で,記号はSt。1St=1cm2/s=10-4m2/s。…

【粘性】より


[運動と粘性]
 粘性が流体中を運動する物体や管内の流れなどに及ぼす効果は,流体の慣性による力(流体の密度をρ,代表速度をUとするとき,単位面積当りρU2の程度)と,粘性力τ(物体の代表長さをLとするときμU/Lの程度)の比であるレーノルズ数ReUL/νで定まる。ここでνは粘性率μを密度ρで割ったもので,動粘性率(動粘度)coefficient of kinematic viscosityと呼ばれ,単位はCGS単位系ではストークスSt(1St=1cm2/s),SI単位系ではm2/sである。したがって運動に対してはふつうの粘性率よりも動粘性率のほうが問題になることが多い。…

※「動粘性率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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