勝沼(読み)かつぬま

精選版 日本国語大辞典 「勝沼」の意味・読み・例文・類語

かつぬま【勝沼】

山梨県中央部の地名甲州街道鶴瀬栗原の間の宿場町として発展。現在は中央本線中央自動車道が通じる。ブドウモモ生産が盛ん。

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デジタル大辞泉 「勝沼」の意味・読み・例文・類語

かつぬま【勝沼】

山梨県甲州市の地名。旧町名。甲府盆地東部にあり、古くからブドウの産地として知られる。甲州街道の宿場町として発達

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日本歴史地名大系 「勝沼」の解説

勝沼
かつぬま

中世にみえる地名。三田氏が城館を置いた師岡もろおかを中心にその領域を広く勝沼と称したようであるが、近世にも通称として継承され、明治初年には乗願寺じようがんじ村が勝沼村公称とした。永正六年(一五〇九)八月一一日、連歌師宗長が「むさしの国かつぬまといふ処」に滞在、「三田弾正忠氏宗此処の領主」であるといい、息政定らとも交流した(東路の津登)。三田氏は応永二〇年(一四一三)頃の惣一揆の主唱者としてみえる「勝沼殿」(六月三日「前肥前守藤次書状写」三島神社文書)と考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勝沼」の意味・わかりやすい解説

勝沼
かつぬま

山梨県中央部東山梨郡にあった旧町名(勝沼町(ちょう))。現在は甲州(こうしゅう)市の南西部にあたる。旧勝沼町は1896年(明治29)町制施行。1942年(昭和17)等々力(とどろき)村を編入。1954年(昭和29)菱(ひし)山、東雲(しののめ)、祝(いわい)の3村と合併。2005年(平成17)塩山(えんざん)市、大和(やまと)村と合併して甲州市となる。JR中央本線、国道20号、411号が通じ、中央自動車道勝沼インターチェンジがある。旧町域は古くからブドウの産地として名高い。江戸時代には甲州街道の宿場町で、笹子(ささご)峠を西下した旅人の甲府盆地の玄関口にあたっていた。また、戊辰(ぼしん)戦争で近藤勇(いさみ)の率いる幕軍が官軍によって敗れた柏尾坂古戦場跡(かしおざかこせんじょうあと)もある。笛吹(ふえふき)川の支流の日川(ひかわ)や田草川扇状地上にのっており、耕地の99%が果樹園であり、そのうち約80%がブドウである。ぶどう酒の醸造も盛んで地元の中小工場のほか、近年は県外の大手資本の工場も進出してきている。観光化も著しく、ブドウ狩り用の観光園が国道沿いに立ち並ぶ。眺望のよい中央本線勝沼ぶどう郷駅前の丘陵上には「ぶどうの丘」がある。毎年10月第1日曜日には「ぶどうまつり」が行われ、夜には鳥居焼(とりいやき)という京都大文字送り火に似通った行事も行われる。大滝山不動尊や大善寺(だいぜんじ)があり、大善寺の本堂国宝

[横田忠夫]

『『勝沼町誌』(1962・勝沼町)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勝沼」の意味・わかりやすい解説

勝沼
かつぬま

山梨県北東部,甲州市南西部の旧町域。甲府盆地東端に位置する。 1896年町制。 1954年菱山村,東雲村,祝村の3村と合体。 2005年塩山市,大和村と合体して甲州市となった。中心集落の勝沼は笛吹川の支流日川の扇状地上にあり,近世には甲州街道の宿場町で,甲府盆地の東の出入口として重視された。ブドウの栽培は 12世紀にさかのぼるといわれ,「勝沼や馬子もぶどうを食ひながら」と松尾芭蕉も詠んでいる。明治時代までは米作と養蚕が主産業であったが,ブドウ栽培への転換が進み,日川の扇状地と背後の斜面一帯にはブドウ園が広がる。在来の甲州ぶどうのほか,デラウェアをはじめ多種類のブドウを産し,ワイン醸造も盛ん。観光ブドウ園が多い。柏尾の大善寺本堂は国宝に,等々力の勝沼氏館跡は国の史跡に指定されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「勝沼」の意味・わかりやすい解説

勝沼 (かつぬま)

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