匁・文目(読み)もんめ

精選版 日本国語大辞典 「匁・文目」の意味・読み・例文・類語

もん‐め【匁・文目】

〘名〙
尺貫法における重量の単位。貫の千分の一、分(ふん)の一〇倍にあたる。唐の開元通宝銭一文の重さを「もんめ」と称して中世末期以降用いられたが、斤両制と入りまじって複雑になり、江戸中期以降規格が統一された。約三・七五グラム。略して、「目(め)」という。
※大内氏掟書(1459‐95)六〇条「こかねしろかねの両目の事は、京の大法として、いつれも一両四文半銭にて、弐両九文めたる処に、金をは一両五文めに売買事、其謂なし」
② 通貨の単位として、①を用いたもの。江戸時代、金貨が定量貨幣(一両四~五匁)として用いられたのに対して、銀貨秤量(しょうりょう)貨幣として用いられ、もっぱらその実量を匁で表わしていった。江戸幕府は、金貨との交換を、慶長一四年(一六〇九)金一両につき銀五〇匁と定め、元祿一四年(一七〇一)には一両につき六〇匁とするなど、時代によって違い、また、その日その日の相場によって左右されたが、金一両は銀五〇~八〇匁であった。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)五「新米壱石六拾目の相場の時も六十五匁にしてしかも下米をわたしぬ」
③ 江戸時代、金貨の単位の「両」をしゃれていう語。もと江戸の遊里吉原で用いたが、後には一般にもいうことがある。〔洒落本・魂胆惣勘定(1754)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android