匂い袋(読み)ニオイブクロ

デジタル大辞泉 「匂い袋」の意味・読み・例文・類語

におい‐ぶくろ〔にほひ‐〕【匂い袋】

丁字ちょうじ麝香じゃこう白檀びゃくだんなどの香料を入れた小袋携帯用としたり、たんすの中に入れたりする。 夏》

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「匂い袋」の意味・わかりやすい解説

匂い袋
においぶくろ

金襴(きんらん)、錦(にしき)などの高級織物の小さな袋の中に、丁子(ちょうじ)、じゃ香、白檀(びゃくだん)などの香料を入れたもの。主として腰提げ、懐中物あるいは衣服の間に入れた。元来は邪鬼を払うために利用された薬玉(くすだま)の変化したものである。江戸時代中期には小袖(こそで)の袖形をした匂い袋がつくられ、女の身だしなみとして愛用された。しかし香水の発達した現在では好事家(こうずか)の女性間に愛用されているにすぎない。

[遠藤 武]

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