北の方(読み)キタノカタ

デジタル大辞泉 「北の方」の意味・読み・例文・類語

きた‐の‐かた【北の方】

寝殿造りで、多く北のたいに住んだところから》公卿大名など、身分の高い人の妻を敬っていう語。北の御方おんかた。北の台。
三条殿に、殿、―並びておはします」〈宇津保・俊蔭〉
六波羅探題のこと。北殿きたどの。→六波羅探題
六波羅の―、左近将監仲時」〈太平記・八〉
[類語](1きさき皇后皇太后妃殿下王妃女王皇太子妃中宮プリンセス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「北の方」の意味・読み・例文・類語

きた【北】 の 方(かた)

① 北の方角北方(ほっぽう)きたざま。
古事記(712)中「御陵は畝火山の北方(きたのかた)の」
② (寝殿造りで、多く正殿の北の対に住んでいたところから) 公卿、大名など、身分の高い人の妻を敬っていう語。きたのおんかた。きたさま。北の台。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「『さは、この三条の北方はとしかげの女』と人しりける」
③ 鎌倉時代、南北六波羅探題のうちの北方。北殿
※太平記(14C後)八「六波羅の北方(キタノカタ)、左近将監仲時」
④ (新吉原を「北」というところから) その遊女をしゃれていう語。さとのまつ。
※雑俳・川傍柳(1780‐83)二「美しい北の方を息子は呼び」

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