北中城(読み)きたなかぐすく

改訂新版 世界大百科事典 「北中城」の意味・わかりやすい解説

北中城[村] (きたなかぐすく)

沖縄県中頭(なかがみ)郡の村。沖縄島(本島)中南部に位置し,東は中城湾に面する。第2次世界大戦まで中城村の一部であったが,戦後アメリカ軍の施設によって村が南北に分断されたため,1946年分離した。人口1万5951(2010)。中城湾に面する海岸一帯は肥沃沖積低地で,背後は丘陵状の地形を呈する。第2次大戦前は純農村,またハワイ,ペルー,ブラジルなどへの移民の多い村として知られた。村面積の19%はアメリカ軍基地キャンプ瑞慶覧(ずけらん)が占めている。現在も農業が主で,サトウキビ,野菜,花卉栽培が行われる。沖縄自動車道のインターチェンジがある。護佐丸が15世紀に築城した中城城跡(史)が中城村にまたがってあるほか,沖縄の民家を代表する中村家住宅(重要文化財),沖縄最古の貝塚といわれる荻堂貝塚(史)があり,民俗芸能として南島踊が知られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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