北朝鮮潜水艦潜入事件(読み)きたちょうせんせんすいかんせんにゅうじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北朝鮮潜水艦潜入事件」の意味・わかりやすい解説

北朝鮮潜水艦潜入事件
きたちょうせんせんすいかんせんにゅうじけん

1996年9月 18日未明,韓国東部,江陵市に近い海岸に北朝鮮の小型潜水艦が進入,座礁しているのが発見された。 20数人とみられる乗務員全員が上陸。そのうち 11人は付近の山中遺体で発見,11人が韓国軍によって射殺,1人が逮捕された。韓国軍事施設の偵察,在韓工作員の交替要人暗殺,重要施設の爆破などが潜入の目的とみられ,韓国内は緊迫した。これに対し北朝鮮は5日後に「事故を起した」と発表し乗員と船体返還を求めた。このため韓国政府は態度を硬化,北朝鮮が事件を認め謝罪し再発防止措置をとらないかぎり,軽水炉をはじめとする支援には応じられないとしたが,11月末の米韓首脳会談でアメリカの説得を受入れ,強硬策を修正した。

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