十三植民地(読み)じゅうさんしょくみんち(英語表記)Thirteen British Colonies in North America

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十三植民地」の意味・わかりやすい解説

十三植民地
じゅうさんしょくみんち
Thirteen British Colonies in North America

17世紀から 18世紀前半にかけて北アメリカ大西洋沿岸地帯にイギリスによって建設された 13の植民地。アメリカ独立戦争により独立してアメリカ合衆国の母体となり,独立十三州とも呼ばれた。 1607年バージニアのジェームズタウン植民地建設に始り,1732年ジョージア植民地建設をもって完了した。自然条件および産業,文化の面で3つの地域に分けられる。第1は北部ニューイングランド植民地 (マサチューセッツニューハンプシャー,ロードアイランド,コネティカット) で,この地域では貿易・運輸業と造船蒸留織物・鉄工業と農・漁業が発展し,イギリス本国と競争関係に立つ場合が多かった。第2は中部植民地 (ニューヨーク,ニュージャージー,ペンシルバニア,デラウェア) で,コムギを中心とする穀物農業と,海港都市付近では造船・船舶用品・蒸留・製粉業および鉄工業が発展した。第3は南部植民地 (バージニア,メリーランド,ノースカロライナ,サウスカロライナ,ジョージア) で,18世紀初頭以来黒人奴隷制度に基づくタバコ,アイ,米などのプランテーション栽培が盛んであった。各植民地はそれぞれ独自の政府をもったため,十三植民地間の統合には障害が多かったが,対フランス,対インディアン戦争の必要からオールバニ連合案 (→オールバニ会議 ) が立てられ,特に 1760年代以降イギリスの植民地統制政策に対する抵抗運動を通して植民地連合の動きは活発となった。ついに 1774年大陸会議開催から独立の戦いを通して国家的統合へと向った。

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