十二段(読み)ジュウニダン

デジタル大辞泉 「十二段」の意味・読み・例文・類語

じゅうにだん〔ジフニダン〕【十二段】

十二段草子ぞうし」の略。
浄瑠璃時代物。五段。近松門左衛門作。元禄3年(1690)大坂竹本座初演。「十二段草子」に、謡曲鞍馬天狗」「張良」「熊坂」「隅田川」などを加えて脚色したもの。
歌舞伎舞踊富本。のち清元に改調。本名題「十二段君が色音いろね」。初世桜田治助作詞、名見崎徳治作曲。安永9年(1780)江戸市村座初演。
長唄。5世杵屋六三郎作曲。嘉永3年(1850)発表。「十二段草子」を題材に、上下二段に作曲したもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「十二段」の意味・読み・例文・類語

じゅうにだん ジフニ‥【十二段】

※評判記・色道大鏡(1678)八「此十二段(ダン)といふものを見るに、何者のつくりたれば、かかる不都合なる事のみを書つづけたるぞとおもふに」
[二] 浄瑠璃。近松門左衛門作か。元祿一一年(一六九八)以前の上演。「十二段草子」に、謡曲「張良」「熊坂」「隅田川」などを加えて脚色したもの。
[三] 歌舞伎「十二段君が色音」(初世桜田治助作)の略称。富本として名見崎徳治作曲。安永九年(一七八〇)市村座初演。花商人に化けた小女郎狐が、夫の血で鍛えた名剣小狐丸を忠信から奪おうとして発見され、義経から初音の鼓をもらうという筋。清元にも移された。
[四] 河東節・一中節掛合の曲「源氏十二段浄瑠璃供養」の略称。通称は「源氏十二段」。文化四年(一八〇七)初演。作詞者は恵井志。牛若と浄瑠璃姫ロマンスを扱った曲。
[五] 長唄の曲名。(四)を上下二段の長唄に作曲したもの。五世杵屋六三郎作曲。嘉永三年(一八五〇)初演。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「十二段」の解説

十二段
(通称)
じゅうにだん

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
顔見世十二段 など
初演
元禄8.11(江戸・山村座)

十二段
じゅうにだん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
近松門左衛門(1代)
初演
宝永4.夏(京・早雲座)

十二段
〔浄瑠璃〕
じゅうにだん

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
享保14.1(江戸・森田座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android