朝日日本歴史人物事典 「十寸見蘭洲(初代)」の解説
十寸見蘭洲(初代)
生年:生年不詳
江戸中期,河東節の太夫。新吉原江戸町の娼家の主人で,名は蔓蔦屋庄次郎。閑室蘭洲とも名乗った。初代十寸見河東とは同じ江戸半太夫の門人で,河東が半太夫から独立する際に力を尽くしたといわれる。細井広沢に師事して能書のほまれ高く,初代河東の正本集『鳰鳥(仁本鳥)』(1719)や『夜半楽』(1725)は,蘭洲の書になる。
(吉野雪子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報