十師(読み)じっし

精選版 日本国語大辞典 「十師」の意味・読み・例文・類語

じっ‐し【十師】

〘名〙
① 一〇人の師匠。指導的立場にある一〇人の僧侶
※日蓮遺文‐小乗大乗分別鈔(1273)「南北の十師が教相に迷ふて」
② 僧侶が具足戒を受けるとき、その受戒にたずさわる戒和尚・羯磨師・教授師の三師と、立ち会う七人の証明の僧。三師七証。
延喜式(927)二一「凡戒壇十師并沙彌等供料
③ 僧侶を教導統制する一〇人の高僧。大化元年(六四五)に唐の十大徳の制にならって設置したが、間もなく廃止された。
十禅師のこと。特定の寺に限って、鎮護国家の修法のために置かれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十師」の意味・わかりやすい解説

十師
じっし

三師七証」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の十師の言及

【僧官】より

…日本では624年(推古32)百済の僧観勒(かんろく)の奏上によって僧正,僧都を任じたのが始まりである。その後,645年(大化1)十師(じつし)に改まったが,律令制の施行にともない683年(天武12)僧正,僧都,律師からなる僧綱(そうごう)が成立した。これは中央の僧官であるが,701年(大宝1)諸国に国師が任ぜられ,地方の仏教界の統制にあたった。…

【大化改新】より

…そして良・賤の区別を明らかにするためには〈男女の法〉を公布して,良民相互,良民と賤民,賤民相互の間に生まれた子をそれぞれ父母のどちらにつけるかを定めた。さらに僧尼統制のために〈十師〉という10人の代表者を僧の中から任命する一方では,俗人から任命した寺司らに各寺の所有する奴婢や土地を調査させるなど,新政を推進して,その年末には都を海外との交渉に便利な難波に移した。 翌646年1月1日,朝廷は4項目の〈改新之詔〉を公布した。…

※「十師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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