十方住持制(読み)じっぽうじゅうじせい

世界大百科事典(旧版)内の十方住持制の言及

【大徳寺】より

…翌25年花園天皇の勅願寺となり,33年(元弘3)には後醍醐天皇の祈願所となって〈本朝無双之禅苑〉なる勅額を下賜され,五山の第1に列せられた。また妙超に深く帰依した花園天皇は,当寺の住持について,ほかの五山のように法系に関係なく器量の僧を天下に求めて住持に補するいわゆる十方住持制(じつぽうじゆうじせい)をとらず,妙超の禅風をつぐ彼の門派の僧に限ることを定めた。このため,峻烈な禅風で知られる大灯の禅が,ながく当寺に伝えられることとなった。…

【南禅寺】より

…開創当初は寺名を竜安山禅林禅寺と号したが,造営途次の正安年間(1299‐1302)ごろ,現山寺号に改称した。天皇は1299年(永仁7)〈禅林寺御起願文案〉を草し,寺領に遠江国初倉荘,加賀国小坂荘,筑前国宗像(むなかた)荘を寄せ,また住持は開山の法流に限ることなく,人材を広く禅宗界全体に求め,器量と才知の人を補任すること,すなわち十方住持制を定めた。以来,当寺は亀山天皇の皇統である大覚寺統が管領する寺として建武新政を迎え,次いで新政が崩壊すると室町将軍家支配の官寺として中世を推移した。…

※「十方住持制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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