卑怯(読み)ひきょう

精選版 日本国語大辞典 「卑怯」の意味・読み・例文・類語

ひ‐きょう ‥ケフ【卑怯】

〘名〙 (形動)
勇気のないこと。また、そのさま。臆病。
※波形本狂言・神鳴(室町末‐近世初)「さてさてひきゃうな事を仰らるる。針を立ねばなおりませぬ」
② 心のいやしいこと。物事をするにあたって、正々堂々としないこと。また、そのさま。卑劣。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※虎明本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初)「それは御ひけうじゃ、是ほとかうさんいたすに、何とて物を仰られぬぞ」
[補注]「比興」がもとで、後に「卑怯」の字が当てられるようになったか。仮名書きの例は、①②の意と思われるものは便宜上本項に収めた。

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デジタル大辞泉 「卑怯」の意味・読み・例文・類語

ひ‐きょう〔‐ケフ〕【卑×怯】

[名・形動]本来は「比興」で「卑怯」は当て字か》勇気がなく、物事に正面から取り組もうとしないこと。正々堂々としていないこと。また、そのさま。「卑怯にも真っ先に逃げ出す」「卑怯なやり方」「卑怯者」
[派生]ひきょうさ[名]
[類語]卑劣姑息一時しのぎその場逃れその場しのぎ当座逃れ当座しのぎ一時逃れ糊塗弥縫びほう弥縫策泥縄場当たり一夜漬け付け焼き刃苦し紛れ間に合わせ有り合わせけちみみっちいいじましいせせこましい狡辛こすからさもしい卑しいせこい陋劣ろうれつ低劣狭量小量けつの穴が小さい

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