卒倒病(読み)そっとうびょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卒倒病」の意味・わかりやすい解説

卒倒病
そっとうびょう

蚕の軟化病の一つ。卒倒菌または卒倒菌類似菌の寄生から生じる毒素 (アルカリ可溶の蛋白) による中毒。5齢の盛食期に発生する場合が多く,食欲不振,動作不活発となり,糞づまり,下痢などを起して死亡する。発病から死亡までの期間は高温多湿であるほど短い。養蚕農家の塵埃からこの菌が検出される割合はかなり多く,防除法としてはホルマリン消毒が有効である。卒倒菌は,1901年日本の石渡繁胤が初めて分離培養に成功した。微生物農薬として知られる BT剤はこの菌と同系統のものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android