南北朝[中国](読み)なんぼくちょう[ちゅうごく](英語表記)Nan-bei-chao; Nan-pei-ch`ao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南北朝[中国]」の意味・わかりやすい解説

南北朝[中国]
なんぼくちょう[ちゅうごく]
Nan-bei-chao; Nan-pei-ch`ao

中国,との中間の時代 (420~589) 。その間,江南では宋,南斉,梁,陳の4王朝が相次いで建ち,華北では鮮卑北魏,それの分裂した東魏,西魏,それぞれのあとをうけた北斉,北周の5王朝が建った (439~581) 。前者を南朝といい,後者を北朝といい,この時代を南北朝 (時代) という。ただし,中国では北周を受け,陳を滅ぼして天下を統一した隋までを北朝に入れる。南朝を特色づけるものは貴族制であるが,梁末の大乱によって貴族がほとんど滅んだため,陳時代には形骸化した。江南では貴族,豪族の大土地所有が盛んで,多数の依付者 (田客など) がいた。また富裕な庶民層の台頭も目立っていた。北朝でも貴族制は成立していたが,鮮卑族の力を背景とする皇帝権力は南朝よりも強かった。北朝に始った均田制府兵制は隋,唐に継承された。南朝では文学,芸術に著しい発達がみられた。北朝では伝統的中国文化の摂取に努めたものの,特にみるべき発展はなかった。

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