南洋大臣(読み)なんようだいじん(英語表記)nan-yang da-chen; nan-yang ta-ch`ên

精選版 日本国語大辞典 「南洋大臣」の意味・読み・例文・類語

なんよう‐だいじん ナンヤウ‥【南洋大臣】

〘名〙 中国、清末の官職名。華中華南の各開港場通商・外交事務を処理した。当初江蘇巡撫、のち両江総督によって兼任された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南洋大臣」の意味・わかりやすい解説

南洋大臣
なんようだいじん
nan-yang da-chen; nan-yang ta-ch`ên

中国,清末の官名。咸豊 11 (1861) 年総理各国事務衙門の設立に伴い,北洋大臣とともに設置された。北洋大臣が天津,牛荘,チーフ (芝罘) の貿易事務を司るのに対し,その他の開港場における貿易事務を統轄し,上海欽差大臣として駐在し,各国との事務処理にもあたった。正式には南洋通商大臣という。同治9 (70) 年より両江総督の兼職となり,南洋水師 (海軍) を統率したが,清仏戦争,日清戦争の敗北により権勢は弱まった。劉坤一張之洞ら大物官僚が歴任し,洋務運動 (→洋務派 ) の進展とともに近代的軍隊の整備,新式企業の開発などの指導者としての役割は大きかった。

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