南都暦(読み)なんとごよみ

改訂新版 世界大百科事典 「南都暦」の意味・わかりやすい解説

南都暦 (なんとごよみ)

奈良暦師により頒行された暦。奈良暦,あるいは南京暦ともいう。奈良の暦師はすべて陰陽師で宝暦寛政の改暦ころは14家であったことが知られている。起源は15世紀ころと思われる。ふつうは綴(とじ)暦で大小2種があり,また略暦の版行も行っていた。賦(くばり)暦が主であるが,一部の暦師には大和1国を限って売暦も許された。片仮名暦は南都暦に限ると思われ,また宣明暦の時代から毎日の曜日が記されていたのも特徴である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の南都暦の言及

【暦】より

… 貞享の改暦以前は地方の暦師によって暦が作られていたため暦日が相違することがあった。例えば京暦と南都暦,京暦と三島暦,あるいは三島暦と大宮暦などで,ある月について一方は大の月,他方は小の月とすることがあって問題となった例がいろいろの文献に残されている。以下で各地の暦の主要なものについて述べる。…

※「南都暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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