南鐐(読み)ナンリョウ

デジタル大辞泉 「南鐐」の意味・読み・例文・類語

なん‐りょう〔‐レウ〕【南×鐐】

美しい銀。精錬した上質の銀。
江戸時代二朱銀異称長方形銀貨幣で、1両の8分の1。南鐐銀。南挺なんてい

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精選版 日本国語大辞典 「南鐐」の意味・読み・例文・類語

なん‐りょう ‥レウ【南鐐】

〘名〙 (「鐐」は白銀の美しいものの意)
① 美しい銀。上質の銀。精錬した銀。南挺
源平盛衰記(14C前)一〇「砂金千両、南鐐(ナンリャウ)百・御劔七振」
② 銀の異称。また、銀貨。南挺。
※米沢本沙石集(1283)七「人の袋を落したりけるを取て見れば、銀(しろがね)の軟挺(〈注〉ナンリャウ)六つ有りけり」
③ 二朱銀の異称。二枚で一分(いちぶ)、八枚で一両に当たる。南挺。南鐐銀。
※咄本・春袋(1777)無間の鐘「けだかき声して其金爰にと、ばらりばらり〈略〉みんな南鐐(ナンリャウ)サ」

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世界大百科事典(旧版)内の南鐐の言及

【銀】より

…金が中世末まで日本の重要な輸出物であったのに対し,銀の産出は乏しく中国より輸入された。平安末以後,記録に南挺,南鐐などとみえるのは,輸入の中国銀で1個50両(1875g)ほどの銀錠が普通であった。16世紀中ごろから急に金銀山が開発され,とくに産銀の増加が著しくなった。…

【南鐐二朱銀】より

…同年11月安永と改元)9月に発行の明和二朱銀と,1824年(文政7)2月発行の文政二朱銀とを総称していう。〈南鐐〉は良質の銀を意味しており,江戸時代の南鐐銀貨には上記の2種類のほか文政南鐐一朱銀(1829発行)がある。江戸時代の主要な銀貨は秤量貨幣で,定位貨幣の金貨とは異なるが,南鐐二朱銀は定位貨幣で二朱銀の表面に〈以南鐐八片換小判一両〉と明示され,二朱銀8枚が1両に相当した。…

※「南鐐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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