南面(読み)ナンメン

デジタル大辞泉 「南面」の意味・読み・例文・類語

なん‐めん【南面】

[名](スル)
南に面すること。また、南の面。「庭園南面する殿舎
《昔、中国天子臣下に対面するとき、陽の方位である南に面して座ったことから》天子の位に就くこと。天子となって国内を治めること。

みなみ‐おもて【南面】

南に向いている方。南側。なんめん。
貴人邸宅正殿正客を迎え入れる所。
「―におろして、母君も、とみにえ物ものたまはず」〈桐壺

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精選版 日本国語大辞典 「南面」の意味・読み・例文・類語

なん‐めん【南面】

〘名〙
① 南に面すること。南の面。南側。
菅家文草(900頃)二・博士難「南面纔三日、耳聞誹謗声
古今著聞集(1254)一九「南殿寝殿の巽角の南面は、女院御方也」 〔孟子‐滕文公〕
② (中国で、天子は南に面して臣下に対面したところから) 君主の位につくこと。天子となって国内を治めること。
続日本紀‐養老七年(723)二月己酉「然則居南面者、必代天而闢化」
源平盛衰記(14C前)二「周公旦成王にかはりつつ、南面(ナンメン)にして一日万機の政を行しに准て」 〔易経‐説卦

みなみ‐おもて【南面】

〘名〙
① 南に面した方。南の正面
※安法集(983‐985頃)「老ぬれば南おもてもすさまじやひたおもむきに西を頼まむ」
② 殿舎の南に面した部屋寝殿造りでは、正客を招じ入れる部屋ともなる。
蜻蛉(974頃)中「みなみおもてに、このごろくる人あり」
③ 南向きの正殿。
※栄花(1028‐92頃)月の宴「みなみおもての昼の御座の方に」

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普及版 字通 「南面」の読み・字形・画数・意味

【南面】なんめん

天子は南面する。〔易、説卦伝〕離(り)はなり。物皆相ひ見(あら)はる。南方の卦なり。人南面して天下に聽き、(むか)ひて治む。

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