単粒構造(読み)たんりゅうこうぞう

精選版 日本国語大辞典 「単粒構造」の意味・読み・例文・類語

たんりゅう‐こうぞう タンリフコウザウ【単粒構造】

〘名〙 土壌粒子の結合状態の一つ。独立して集積した土壌粒子相互間に団粒構造が認められない場合の土壌。ゆるい砂土、粘重な埴土などに見られる。

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デジタル大辞泉 「単粒構造」の意味・読み・例文・類語

たんりゅう‐こうぞう〔タンリフコウザウ〕【単粒構造】

土壌の粒子がそれぞれ独立して集積し、その間になんらの関係のない構造。ゆるい砂土や粘土分の多い土など。→団粒構造

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百科事典マイペディア 「単粒構造」の意味・わかりやすい解説

単粒構造【たんりゅうこうぞう】

土壌の微細粒子が結合せず,単一粒子として存在していること。埴土では空気や水の透通性が悪く,植物根は伸長しにくく,酸素不足に陥りやすい。また砂土では逆に水分不足をきたし,粒子間の結合力が弱く土壌浸食をうけやすい。干拓地や砂丘地の土壌などがこの例。→団粒構造

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世界大百科事典(旧版)内の単粒構造の言及

【団粒構造】より

…個々の土壌粒子が集合して団粒をつくっているもの。団粒構造は土壌粒子がばらばらに存在している単粒構造にくらべ,大小さまざまの孔隙(こうげき)に富み,通気・通水性,保水性にすぐれ,土壌生物の活動も盛んで,植物生育も良好である。団粒の生成には粘土,有機物,カルシウム,鉄,アルミナ,土壌微生物の分泌する粘質物および菌糸,植物根などが結合物質として働いている。…

【土壌】より

…土壌の陽イオン交換能は,粘土鉱物の同像置換などに基づく陰荷電および腐植物質のカルボキシル基に由来しているので,粘土質の土壌や有機物を多量に含む土壌はCECが高く,砂質の土壌はCECが低い値を示す(表3)。
【土壌構造】
 土壌は大小種々さまざまの粒子からできているが,これらの粒子は通常多少とも集まって団粒をつくっており,これを団粒構造とよぶ一方,砂だけの粒子で構成され,これらが単独で並んでいるものを単粒構造という。砂などの粗大粒子のみでできている砂浜は単粒構造(無構造)であるが,粘土や有機物には粘着性や凝集性があるため,土壌のA,B層は表4のような構造体をつくっている。…

※「単粒構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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