占手（読み）ウラテ

デジタル大辞泉

うら‐て【^▽占手】

１ 昔、相撲すまいの節会せちえで、最手ほてに次ぐ2番目の地位。左・右とあり、後世の関脇に相当する。最手脇ほてわき。
２ 歌合わせで、最初の1番。
「左方―の菊は」〈寛平菊合〉
３ 占い。占いの結果。
「さて松明たいまつの―はいかに」〈謡・烏帽子折〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

うら‐て【占手】

〘名〙 (「うらで」とも)

① 朝廷の相撲(すまい)の節会(せちえ)で、二〇番および一七番の取組のうち、最初の一番、すなわち、垂髪(うない)、総角(あげまき)、最手(ほて)などの前に取組を行なう童。

※内裏式（833）七月七日相撲式「先出_二占手_一〈用_二四尺以下小童_一、前一日於_二内裏_一量_二長短_一、或有_下過_二四尺_一者_上当日不_三更令_二相撲_一以為_レ負〉奏_レ名者」

② (「裏手」の義で、次の人の意か) 相撲で、最手(ほて)に次ぐ者。最手脇(ほてわき)。

※新猿楽記（1061‐65頃）「未_レ有_下蹶_レ之汗_レ之者_上。況自余最手。占手」

③ 歌合せなどで、最初の一番。

※寛平内裏菊合（891頃か）「左方。占手(ウラテ)の菊は〈略〉花に面(おもて)かくさせて持たせたり」

④ 占いのしるし。また、その結果。

※謡曲・烏帽子折（1480頃）「それ松明(たいまつ)の占手と言っぱ、一の松明は時の運」

出典　精選版 日本国語大辞典