印鑰・印鎰(読み)いんやく

精選版 日本国語大辞典 「印鑰・印鎰」の意味・読み・例文・類語

いん‐やく【印鑰・印鎰】

〘名〙
① 判(はん)印判。→印(いん)①。〔新唐書‐李抱真伝〕
② 印とかぎ。
(イ) 天子の正印と諸司の蔵の鍵。また、官府の長官の印と、城門や蔵をあける鍵。
※石清水文書‐治安三年(1023)一〇月五日・僧兼清解案「請下官使、責取印鎰并文書等之後、可有証判之由」
今昔(1120頃か)二五「先づ諸国の印鎰を奪ひ取て、受領を京に追上(おひのぼせ)む」
(ロ) 別当座主など一寺の長である僧が持つ公的な印章と鍵。あるいは僧綱(そうごう)の職印と僧綱所の鍵など。
平家(13C前)二「明雲法皇の御気色あしかりければ、印鑰(ゐんやく)をかへしたてまつて、座主を辞し申さる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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