卵歯(読み)ランシ(英語表記)egg tooth

翻訳|egg tooth

デジタル大辞泉 「卵歯」の意味・読み・例文・類語

らん‐し【卵歯】

卵生動物孵化するとき、卵殻内側から割るときに使う硬い組織。口吻や嘴の上部にあり、孵化ののち消える。単孔類鳥類爬虫類昆虫一部に見られる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「卵歯」の意味・わかりやすい解説

卵歯
らんし
egg tooth

卵生の動物の胚が孵化するとき,卵殻や卵膜を破る突起哺乳類単孔目,鳥類,爬虫類,昆虫類 (コオロギバッタなど) の胚が孵化するとき,口吻の上にできる硬い組織。孵化後退化する。

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世界大百科事典(旧版)内の卵歯の言及

【歯】より

…ハリモグラでは,孵化(ふか)する前に上あごの前端正中部に無対の1本の歯が生ずる。これは殻を破るのに用いられるので〈卵歯egg tooth〉と呼ばれ,孵化後に脱落する。その後はまったく歯をもたず,アリやシロアリを常食とする。…

【孵化】より

…また家禽などでは人工孵化が行われる。孵化に際して卵膜を破るのに機械的な力を用いる例としては,単孔類,鳥類,爬虫類,昆虫類(コオロギ,トンボ,ノミなど)の胚に見られる卵歯egg toothがある。これは胚の口吻部や胚をおおう膜上にできる固い突起で,これで卵殻を破る。…

※「卵歯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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