原子力供給国会議(読み)げんしりょくきょうきゅうこくかいぎ(英語表記)Conference of Nuclear Energy Supplier States

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原子力供給国会議」の意味・わかりやすい解説

原子力供給国会議
げんしりょくきょうきゅうこくかいぎ
Conference of Nuclear Energy Supplier States

原子力機材の輸出を規制し,拡散・軍事転用の防止を目的とする原子力供給国の会合。 1974年5月のインドの核爆発実験を契機に,核兵器不拡散条約 NPTの不備を補う目的で主要原子力供給 7ヵ国(アメリカ合衆国ソビエト連邦,イギリス,フランス,ドイツ連邦共和国〈西ドイツ〉,カナダ,日本)がアメリカの提唱により,1975年4月からロンドンで事務レベル協議を行ない,1978年に原子力機材の輸出に際してとるべき規制措置のガイドラインについて合意した。このガイドライン(ロンドン・ガイドライン)は,(1) 核物質を核爆発に使用しないとの輸入国の保証の義務づけ,(2) 第三国再輸出についての同様の保証,(3) 核物質の盗難防止のための防護措置(核ジャック対策)の実施,(4) 国際原子力機関 IAEAによる保障措置の適用などを内容とする。これに基づいて核物質,資材,設備などの輸出規制が実施されたが,さらに数値制御工作機械や精密測定装置など,核兵器の開発・製造に使われるおそれのある原子力関連汎用品輸出規制制度(ロンドン・ガイドライン・パート2)が 1992年発足した。

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