デジタル大辞泉
「去る者は追わず」の意味・読み・例文・類語
去る者は追わず
《「孟子」尽心下の「それ予の科を設くるや、往る者は追わず、来たる者は拒まず」から》自分から離れて行こうとする者は、その意志に任せて、強いて引き留めない。
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去る者は追わず
自分から離れてゆこうとする人を、無理に引き留めはしない、ということ。
[使用例] 落城近く夜な夜な脱走する者があったのを、榎本が去る者は追わずといって目こぼしした所と[河上徹太郎*大鳥圭介南柯の夢|1955]
[由来] 一一~一二世紀、北宋王朝の時代の中国の文人、蘇軾の文章の一節から。「春秋公羊伝」という歴史書の注釈を踏まえながら、中国文明に君臨する王者の異民族に対するあるべき態度を、「来る者は拒まず、去る者は追わず(慕ってやってくる者を拒絶はしないし、離れていく者を引き留めようともしない)」と述べています。なお、類似の表現として、「[孟子]―尽心・下」の「往く者は追わず、来る者は拒まず」も知られています。
[解説] 「来る者は拒まず」と対にして、参加するのも辞めるのも自由であるという意味で、よく使われます。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
去る者は追わず
自分から離れてゆこうとする人を無理にひきとめたりしない。「来る者は拒まず」と対にして言うことが多い。
[使用例] 誰か人気の有る俳優が他へ引き抜かれるとその翌日あたりの新聞にその会社側の談として「去る者は追わずです」という言葉が必ず掲載される[伊丹万作*映画界手近の問題|1936]
[解説] 「孟子―尽心・下」から出たことば。
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