双六岳(読み)すごろくだけ

改訂新版 世界大百科事典 「双六岳」の意味・わかりやすい解説

双六岳 (すごろくだけ)

北アルプス中央部,長野県大町市と岐阜県高山市との県境に位置する山。標高2860m。尾根つづきで北に三俣蓮華(みつまたれんげ)岳,東に樅沢岳があり,縦走路が通るが,山頂はこれから少し離れているため,頂上に立つ人は少ない。山体は古生代末期の花コウ岩で構成され,東斜面にはカールなどの氷河地形が分布する。山頂付近は比較的なだらかで,特に東へ派生する稜線部は平たんな砂礫(されき)地となっており,周氷河作用により形成された構造土がみられる。東方の鞍部の双六小屋の南にある双六池周辺はクロユリなど高山植物お花畑となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「双六岳」の意味・わかりやすい解説

双六岳
すごろくだけ

北アルプスの中央部、長野・岐阜県境にある山。標高2860メートル。一帯地質は石英閃緑(せんりょく)岩を主とする深成岩である。山頂はなだらかな草地をなし、ハイマツナナカマドのほか、夏にはリンドウコバイケイソウシナノキンバイなどの高原植物が咲き、山頂の南側には氷食地形のカールがみられる。南東部の樅沢(もみさわ)岳との鞍部(あんぶ)には双六池と双六小屋があり、槍ヶ岳(やりがたけ)から樅沢岳、双六岳を経て北部の三俣蓮華(みつまたれんげ)岳へ至る裏銀座コースの縦走路にあたり、槍ヶ岳からは4時間半の行程である。なお、双六岳に直接登る最短ルートは新穂高温泉から、わさび平、鏡平、双六小屋を経由するルートで約8時間の行程を要する。

[小林寛義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「双六岳」の意味・わかりやすい解説

双六岳
すごろくだけ

岐阜,長野両県の県境にある飛騨山脈中央部の山。標高 2860m。三俣蓮華岳 (2841m) の南にあり,一連の山体をなす。山頂の南東側には,カール (圏谷) と推定される氷食地形が存在,東側の緩斜面にはハイマツの植生がある。東南東の樅沢岳との間の鞍部双六平には双六池がある。池畔には双六小屋があり,槍ヶ岳から笠ヶ岳烏帽子岳への縦走コースの基地。

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デジタル大辞泉プラス 「双六岳」の解説

双六岳

飛騨山脈南部、長野県大町市と岐阜県高山市の境にある山。標高2860メートル。コバイケイソウなど多くの高山植物が自生し、田中澄江の「花の百名山」に選定されている。

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