反動思想(読み)はんどうしそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反動思想」の意味・わかりやすい解説

反動思想
はんどうしそう

一般に,歴史の進歩発展に逆行し,すでに命脈の尽きた社会体制の固守,あるいはすでに打倒された旧体制の復活を主張するイデオロギーをいう。政治の理想的模範を過去に求めるという点では保守主義と共通するが,現状に対して否定的な評価を下す点で,現状を肯定的に評価する保守主義とは区別される。さらに,自由と民主主義の拡大が政治的発展の根本傾向であるとの認識が一般に共有されている今日,こうした傾向を逆転させようとする点で反進歩,反革命思想と同義語であり,しばしば宗教と結合しつつ非合理主義神秘主義,反民主主義,権威主義形態をとる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android