反射(生物)(読み)はんしゃ

百科事典マイペディア 「反射(生物)」の意味・わかりやすい解説

反射(生物)【はんしゃ】

生理学用語。刺激に対する動物の反応の一つで,上位中枢(大脳)を介在せず下位中枢(反射中枢)のみの働きで行われる。膝蓋腱(しつがいけん)反射瞳孔(どうこう)反射はその好例。反射を引き起こす刺激と反応の間には比較的単純な対応関係がある。反射中枢は多くの場合脊髄にあるが,延髄や中脳にあるものも少なくない。無意識のうちに諸器官の機能を調整する機能をもつ。姿勢の不整は視覚深部感覚平衡感覚などから発する姿勢反射によって矯正されるが,矯正の過不足はまた反射的に矯正されるというフィードバックがある。反射は先天的なものであるが,後天的に形成されるものに条件反射がある。動物の生得的行動の成分にも多くの反射が含まれている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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