反応分析装置(読み)はんのうぶんせきそうち

改訂新版 世界大百科事典 「反応分析装置」の意味・わかりやすい解説

反応分析装置 (はんのうぶんせきそうち)

集団反応分析装置レスポンスアナライザーなどともいう。多数の学習者の反応状況を即時に定量的に収集する教育機器で,学習者に答や意見などを選択スイッチの操作によって回答させ,その結果を教師卓に表示する装置。学習者に結果を提示する機能をもつものも多い。挙手などによる場合と異なり,学習者が他人の意見に影響されない,回答の時間変化がわかるなどの特色をもつ。教師はこれらのデータから一斉授業を展開するうえでの判断材料を得ることができるほか,集計結果を学習者に提示することで討論を盛り上げることも可能である。また授業後等に,学習者の理解度や授業の進め方などを分析するために,内蔵するマイクロコンピューターで各種統計処理を行ったり,データや処理結果を印字できる反応分析装置もある。1930年代に,ラジオ番組などの分析に使用する目的で開発されたプログラム・アナライザーがその原型で,日本では50年代後半に教師自作の装置が使われ始めた。60年代よりメーカー製のものが出現,データ分析方法なども開発が進み,70年代より普及が進んだ。
教育機器
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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