反応速度論(読み)はんのうそくどろん(英語表記)reaction kinetics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反応速度論」の意味・わかりやすい解説

反応速度論
はんのうそくどろん
reaction kinetics

反応速度測定により反応速度式を求め,その内容を検討することによって化学反応機構を調べる理論化学の一分野。工業化学的にも重要な意味をもつ。これに対して熱力学は主として平衡を扱う分野であり,反応機構解釈には不適当である。おもな反応速度論としては,化学反応を生じるために反応物質が一定エネルギー (活性化エネルギー) を得て活性化された状態に移らなければならないと仮定したアレニウスの式,反応の前段階として反応分子間の衝突を重視する衝突論,分子論的な立場から統計的な取扱いで誘導された H.アイリング絶対反応速度論などがある。

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化学辞典 第2版 「反応速度論」の解説

反応速度論
ハンノウソクドロン
theory of reaction rate

[同義異語]化学反応速度論

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栄養・生化学辞典 「反応速度論」の解説

反応速度論

 速度論ともいう.化学反応の機構や速度に関する学問分野.

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世界大百科事典(旧版)内の反応速度論の言及

【反応速度】より

…反応速度は,一般に反応により変化する物質の時間的変化率で表される。反応速度を調べることは,実際上必要であるばかりでなく,化学反応の仕組みを解明するためにも重要であり,とくに反応速度を取り扱う学問分野に反応速度論chemical kineticsあるいは化学動力学がある。反応速度が系統的に調べはじめられたのは比較的新しく,19世紀中ごろになってからである。…

※「反応速度論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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