受水走水(読み)うきんじゆはいんじゆ

日本歴史地名大系 「受水走水」の解説

受水走水
うきんじゆはいんじゆ

[現在地名]玉城村百名

ウキンジュハインジュと発音する。浜川はまかわ御嶽の南西方、百名ひやくなの海岸近くにある二口の泉で、西側の泉を受水、東側の泉を走水という。受水の下流には御穂田(ミフーダ)、走水の下流には親田(ウェーダ)とよばれる田圃がある。「中山世鑑」には「玉城ヲケミゾ」とあり、知念大川とともに開闢神の阿摩美久(アマミキョ)が天帝から賜った稲の種子を初めて植えた場所とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の受水走水の言及

【沖縄[県]】より

…このほかに時期は不定だが,〈井泉詣(かーめー)〉といって井泉を拝み,水への感謝と健康祈願をする行事や,門中ごとに沖縄島北部の東方霊地を巡拝する〈東(あがり)回り〉や北山への〈今帰仁(なきじん)拝み〉といった行事もある。玉城村百名(ひやくな)の海岸にある〈受水走水(うきんじゆはいんじゆ)〉は東回りの第1の霊地で,この水でアマミキョ(始祖神)がはじめて稲作を行ったといわれている。【饒平名 健爾】
[琉装]
 現在は沖縄でもおおかたの人々の衣生活は洋服である。…

【玉城[村]】より

…琉球王朝時代からの遺跡や聖地が多く,東の知念村とともに〈神の国〉とよばれ,〈東御回り(アガリウマーイ)〉という巡礼路になっている。稲作発祥伝説のある聖泉〈受水(うきんじゆ)・走水(はいんじゆ)〉と聖田〈御穂田(みふーだ)〉,アマミキョが築いたという玉城城跡,アマミキョが最初に住んだというミントン城跡,14世紀前半の糸数(いとかず)の按司(あじ)築城という糸数城跡(史)などがその巡礼地である。雄樋(ゆひ)川沿いには1967年発見の大鍾乳洞玉泉洞がある。…

※「受水走水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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