口唇癌(読み)こうしんがん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「口唇癌」の意味・わかりやすい解説

口唇癌
こうしんがん

口唇に発生する癌腫(がんしゅ)で、口腔(こうくう)癌の一種である。白人に比較的多くみられ、日本人にはきわめて少ない。上唇より下唇に発生することが多く、性差では女性より男性に多い。口唇癌の特徴としてパイプたばこ紫外線などが誘因とされているが、人種的素因も考えられる。悪性度が低いことが多く、転移舌癌などと比べると格段に少ない。外科的切除成績もよく、放射線にもよく反応することから放射線療法が行われ、予後は比較的良好である。

池内 忍]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の口唇癌の言及

【唇】より

…原因は明らかでないが,発熱や消化器障害の場合にできやすい。口唇癌は,白色人種には比較的多くみられるが,日本人ではきわめて少ない。大部分が下唇に生じる。…

※「口唇癌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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