古今夷曲集(読み)ココンイキョクシュウ

デジタル大辞泉 「古今夷曲集」の意味・読み・例文・類語

ここんいきょくしゅう〔ココンイキヨクシフ〕【古今夷曲集】

狂歌集。10巻4冊。生白堂行風せいはくどうぎょうふう編。寛文6年(1666)刊。上代から江戸初期までの狂歌(夷曲)1060首を集めたもの。こきんいきょくしゅう。

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精選版 日本国語大辞典 「古今夷曲集」の意味・読み・例文・類語

ここんいきょくしゅう ココンイキョクシフ【古今夷曲集】

狂歌集。一〇巻。生白堂行風(せいはくどうこうふう)編。寛文六年(一六六六)刊。聖徳太子以下、細川幽斎松永貞徳など、上代から江戸初期に至る二四一人、一〇五〇余首の狂歌を、四季神祇離別羇旅、恋、雑、釈教など一〇部に分類、収録したもの。これに続く「後撰夷曲集」とともに、古来の狂歌の集大成

こきんいきょくしゅう コキンイキョクシフ【古今夷曲集】

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「古今夷曲集」の意味・わかりやすい解説

古今夷曲集
こきんいきょくしゅう

江戸初期の狂歌集。10巻4冊。生白庵行風(せいはくあんこうふう)編。自序、自跋(ばつ)。1652年(承応1)成立、1666年(寛文6)京都安田十兵衛刊。古今上下作者241人、歌数1050余首を、春、夏、秋、冬、賀付神祇(じんぎ)、離別付羇旅(きりょ)、恋、雑上付物名廻文(ぶつめいかいぶん)、雑下付哀傷釈教に分類・編集し、終わりに作者之目録を添えたもの。狂歌史上初の本格的撰集(せんしゅう)であり、古今の書物34部から作品を採録し、上は親王公卿(くぎょう)から一般人に至るまで、時間的、階層的にきわめて広範に作品を集大成している。同一版木(部分的補刻はある)ながら、書名(『古今狂歌集』と改題した時期がある)や冊数を変えつつ、幕末まで重版されている。

森川 昭]

『『近世文学資料類従 狂歌編1』(1977・勉誠社)』『『狂歌大観1』(1983・明治書院)』

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改訂新版 世界大百科事典 「古今夷曲集」の意味・わかりやすい解説

古今夷曲集 (こきんいきょくしゅう)

狂歌集。生白庵行風編。1666年(寛文6)京都安田十兵衛刊。10巻4冊。聖徳太子以下古今各層の作者241人の狂歌1500余首を四季,賀,神祇等に分類編集したもの。引用書は《旧事本紀》以下34部に及び,採録の範囲は広範多岐,所収作品は玉石混淆だが,それまで各界人士の余技として作られていた狂歌を撰集の形で公刊した史的意義は大きい。板木は同一ながら部分的補修を加えつつ幕末まで行われた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古今夷曲集」の意味・わかりやすい解説

古今夷曲集
ここんいきょくしゅう

江戸時代前期の狂歌集。「古今」は「こきん」とも読む。生白堂行風 (せいはくどうぎょうふう) 編。 10巻4冊。寛文6 (1666) 年刊。古今の狂歌 1050首余,作者 241人を,四季,神祇,離別および羇旅,恋,雑 (上下) ,釈教の 10巻に分類配列したもの。狂歌隆盛の機運を反映した撰集。

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