古謡諺(読み)こようげん(英語表記)Gǔ yáo yàn

改訂新版 世界大百科事典 「古謡諺」の意味・わかりやすい解説

古謡諺 (こようげん)
Gǔ yáo yàn

中国,清の杜文瀾の著。100巻。古代より明にいたるまでの各種の書物の中から,謡(はやり歌)と諺(韻文によるはやり言葉)を集めた書。採集の範囲は,経書,史書から小説雑記にまで及ぶ。《詩経》,特にその国風部分が民間からの採詩を基礎にでき上がっているという伝説にもとづいて古典籍の中から古い民間歌謡を集成しようとする仕事は,すでに明の楊慎らによって行われていたが,この杜文瀾の仕事が最も網羅的である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の古謡諺の言及

【歌謡】より

…《楽府詩集》には,民間歌謡にあやかって詩として作られた文人の作品や,新しく題を設定して詩として作られた新題楽府(新楽府)の作品も集大成されているが,《楽府詩集》において〈古辞〉として掲げられているものは,すべて実際に歌謡として歌われたものばかりである。別にはまた,ふしをつけて誦された謡諺のたぐいもあるが,古代のそれらは清の杜文瀾の《古謡諺》100巻に集められている。 歌謡から独立して,朗誦する文芸である詩が誕生してから後にあっても(中国における詩と歌の分離は,後漢末の建安年間,後2世紀から3世紀初頭),なお歌謡はつねに存在するが,歌謡の流行と変動はめまぐるしく,したがって歌曲歌辞の形態もどんどん変わってゆく。…

※「古謡諺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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