台湾中西部の都市。台中盆地の中央に位置する。人口96万5790(2000)。旧称大墩(だいとん)(屯(とん))。1887年に台湾県が設けられ、日本領となった後の96年に台中と改称した。気候は温暖で年平均気温22℃、夏冬の温度差がわずか10℃で常春の地である。市街は格子のごとく整然とし、緑川、柳川が市中を流れる。総合大学、単科大学が各3校、短大が7校あり、落ち着いた文化都市でもある。市の南東10キロメートルの霧峰に台湾省諮議会、23キロメートルの中興新村に台湾省政府があり、省政の中心地に隣接している。また南東80キロメートルの山中に有名な観光地日月潭(じつげつたん)がある。周辺の農村は豊かで、米、サトウキビのほか、バナナ、パイナップル、柑橘(かんきつ)類の産地である。近年、商工業の発展が著しく、北部郊外の潭子に台中輸出加工区が開設され、西20キロメートルの梧棲(ごせい)に台中(国際)港が完成するなど、台中は産業都市に向けて変容しつつある。
[劉 進 慶]
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