台児荘(読み)たいじそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「台児荘」の意味・わかりやすい解説

台児荘
たいじそう / タイアルチョワン

中国山東(さんとう)省南部、棗荘(そうそう)市の市轄区。江蘇(こうそ)省との省境に位置する。人口32万1900(2014)。華北平原と魯中(ろちゅう)山地との間の大運河沿岸にあるため、古来、北の黄河(こうが)水系と南の揚子江(ようすこう)水系とを結ぶ交通の要所を占め、物資集散センターとして発展した。棗荘市街、江蘇省徐州(じょしゅう)方面に自動車道が通る。ラッカセイをはじめ、小麦、トウモロコシなどの栽培が盛んである。

 2008年より大運河沿岸の歴史的な街並みを整備するなど、観光業の振興に力を入れている。2014年には、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「中国大運河」の構成資産として、台児荘運河が世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[駒井正一・編集部 2017年1月19日]

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百科事典マイペディア 「台児荘」の意味・わかりやすい解説

台児荘【だいじそう】

中国,山東省南部の町。現在は棗荘(そうそう)市台児荘区となっている。京滬(けいこ)鉄路(北京〜上海)の支線大運河に沿い,徐州北東の要衝にあたる。1938年,日中戦争の徐州攻略の際,中国軍が激しい抵抗を試み,日本軍の進攻を阻止した所。

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