合成開口レーダー(読み)ゴウセイカイコウレーダー

デジタル大辞泉 「合成開口レーダー」の意味・読み・例文・類語

ごうせいかいこう‐レーダー〔ガフセイカイコウ‐〕【合成開口レーダー】

地表観測装置の一種アンテナを搭載した人工衛星航空機の動きによって得られた多数画像開口合成法を用いて合成し、高い分解能の画像を得る。SAR(synthetic aperture radar)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「合成開口レーダー」の意味・わかりやすい解説

合成開口レーダー【ごうせいかいこうレーダー】

マイクロ波を発射し,その戻ってきた電波を受信して地上などを観測する測器。航空機や衛星に搭載して観測を行っている。マイクロ波を利用して地球の観測を行うと雲があっても地表面を観測することができる。しかしマイクロ波は波長が光に比べて長いため解像度(分解能)を上げることができない。合成開口レーダーは,多くの受信アンテナによって電波の位相の違いをはかることにより,解像度を飛躍的に高めることができる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の合成開口レーダーの言及

【海洋観測衛星】より

…地表面の分解能は25~50kmである。(6)合成開口レーダー マイクロ波レーダーであるが,信号の演算処理によって十分に大きなアンテナをもっているのと同様の測定を可能としたもので,地表面の分解能は約25mまで向上する。短波長の風波の波高を変化させる,うねり,内部波,雨,海底地形,海流の境界,などを検出する。…

【レーダー】より


[リモートセンシング用レーダー]
 人工衛星や航空機に搭載して資源探査や海洋観測のために用いられるレーダーである。代表的なリモートセンシング用レーダーには,海面や地面の状況を測定するマイクロ波散乱計および地表面の高分解能画像を得る合成開口レーダー(後述)がある。
[その他のレーダー]
 その他のレーダーとして,(1)航空機の高度を測定する電波高度計(高度計),(2)航空機の対地速度などを連続的に測定するドップラーナビゲーター,(3)航空機に搭載し山岳などとの衝突を回避するために用いられる地形回避レーダーterrain avoidance radar,(4)地形に沿って飛行するために使用される地形追随レーダーterrain following radar,(5)セミアクティブミサイルの誘導のためにつねに特定の目標をイルミネートする照射用レーダーなどがあり,その応用範囲は多岐にわたる。…

※「合成開口レーダー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android