吉日遺言(読み)きちじつゆいごん

世界大百科事典(旧版)内の吉日遺言の言及

【遺言】より

…だから,最高裁判所もまた,自筆証書遺言は,数葉にわたるときでも一通の遺言書として作成されているときは,その日付・署名・捺印は一葉にされておれば有効と解し(1961年判決),また,遺言者が外国人であるときなどは,遺言者の署名があれば,捺印がなくても有効と解している(1974年判決)。しかし,いわゆる〈吉日遺言〉(年月の記載のみで日付を吉日と記載しているもの)を有効と解するまでには立ち至っていない(1979年判決)。自筆証書遺言は,文字の書ける者ならだれでも自分だけで作成でき,公証人,証人,立会人も必要でなく,費用もかからず,作成の事実・内容を秘密にしておける利点があるので,最も広く利用されているが,法律知識の乏しい者の場合には,方式不備で無効とされるおそれもあり,また,公証人など公の責任ある個人もしくは機関によって保管されるわけではないから,紛失,滅失,偽造,未発見のおそれもあり,遺言者の死後,その真実性が争われることが多いという欠点がある。…

※「吉日遺言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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