吉本興業(株)(読み)よしもとこうぎょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉本興業(株)」の意味・わかりやすい解説

吉本興業(株)
よしもとこうぎょう

上方(かみがた)大衆芸能を主力とした総合娯楽企業。1912年(明治45)吉本吉兵衛とせい夫婦が大阪・天満天神(てんまてんじん)裏で寄席(よせ)経営を開始、翌年吉本興行部を設立。おもな寄席と演芸人を傘下に収め、吉本演芸王国を築き、吉本興業合名会社に改組した1932年(昭和7)には、劇場と寄席は大阪を中心に50を数えた。第二次世界大戦後の1948年(昭和23)株式会社となり、映画部門中心の経営を行ったが、テレビ時代の幕開けとともに、59年に梅田花月(うめだかげつ)劇場を映画館から演芸場に転換、テレビ会社と提携し、劇場から娯楽番組が中継放送されるようになった。その後、京都花月劇場、難波(なんば)花月劇場を開場、一方、レジャーの多様化にあわせて多角経営を展開、西日本最大のボウリング場「ボウル吉本」を1964年に開場した。テレビ会社との業務提携も積極的に行い、テレビの人気者となったタレントを輩出戦前の演芸王国再現の実績を築いていった。1982年にはタレント養成学校の吉本総合芸能学院(通称NSC)を開校した。東京進出も実現し、劇場の全国展開を目ざしている。2007年持株会社制へ移行。おもな子会社によしもとクリエイティブ・エージェンシー(タレントマネジメント等)、よしもとファンダンゴ(映像コンテンツの製作販売等)などがある。資本金48億円(2008)、売上高501億円(2008。連結ベース)。

[中村青志]

『吉本興業編・刊『吉本八十年の歩み』(1992)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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