吉江喬松(読み)よしえたかまつ

精選版 日本国語大辞典 「吉江喬松」の意味・読み・例文・類語

よしえ‐たかまつ【吉江喬松】

詩人評論家フランス学者長野県出身。早稲田大学卒。西欧詩人の影響をうけ、浪漫的自然詩人として注目された。早稲田大学に仏文科創設。著「緑雲」「仏蘭西古典劇研究」など。明治一三~昭和一五年(一八八〇‐一九四〇

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デジタル大辞泉 「吉江喬松」の意味・読み・例文・類語

よしえ‐たかまつ【吉江喬松】

[1880~1940]詩人・評論家・フランス文学者。長野の生まれ。号、孤雁。浪漫的な自然詩人として注目された。早大教授となり仏文科を創設。著「緑雲」「仏蘭西古典劇研究」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉江喬松」の意味・わかりやすい解説

吉江喬松
よしえたかまつ
(1880―1940)

詩人、仏文学者。孤雁(こがん)と号す。長野県に生まれる。早稲田(わせだ)大学英文科卒業。国木田独歩(どっぽ)の『新古文林』の編集、早稲田中学教諭を経て早大高等予科講師となる。第一次世界大戦下、パリのソルボンヌ大学に学び、帰朝後、早大教授となり早大に仏文科を創設、『仏蘭西(フランス)古典劇研究』(1931)により文学博士となる。詩、評論、研究と多方面にわたって活躍したが、文学者としてはわが国の農民文学、海洋文芸の領域に新生面を開き、学者としてはフランス文学、比較文学の先駆的な役割を果たした。

[窪田般彌]

『『吉江喬松全集』全八巻(1941~43・白水社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉江喬松」の意味・わかりやすい解説

吉江喬松
よしえたかまつ

[生]1880.9.5. 長野,塩尻
[没]1940.3.26. 東京
詩人,評論家,フランス文学者。文学博士。 1905年早稲田大学英文科卒業。第1文集『緑雲』 (1909) で浪漫的自然詩人として登場。『自然美論』 (12) を経て『種蒔く人』に参加し,農民文学に傾斜。早大で英詩を講じ,16年フランスに留学,20年帰国し同大学に仏文科を創設。主任教授となり,ヨーロッパ近代思潮に根ざした文芸批評に新生面を開く一方,『仏蘭西古典劇研究』 (31) ,『世界文芸大辞典』 (7巻,35~37) の編纂などの業績を残した。 22年レジオン・ドヌール勲章受章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉江喬松」の解説

吉江喬松 よしえ-たかまつ

1880-1940 明治-昭和時代前期の詩人,フランス文学者。
明治13年9月5日生まれ。国木田独歩(どっぽ)の「新古文林」を編集。母校早大の講師となり,大正5年パリに留学。帰国後早大に仏文科を創設,教授をつとめる。比較文学,農民文学の分野でも業績をのこす。昭和15年3月26日死去。61歳。長野県出身。号は孤雁(こがん)。著作に「仏蘭西(フランス)古典劇研究」「吉江喬松詩集」など。

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百科事典マイペディア 「吉江喬松」の意味・わかりやすい解説

吉江喬松【よしえたかまつ】

評論家,詩人,仏文学者。号孤雁。長野県生れ。早大英文科卒。ロシア文学に親しみ,浪漫的な自然詩人として文集《緑雲》《砂丘》を出し,後年は農民文学や海洋文学を提唱した。渡仏後,早大に仏文科を創設。《仏蘭西古典劇研究》で学位を得た。

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