同和問題(読み)どうわもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「同和問題」の意味・わかりやすい解説

同和問題
どうわもんだい

被差別部落に関する社会問題をいう。被差別部落民の解放運動は,1922年以来の水平社運動を受継ぎ,第2次世界大戦後 46年部落解放全国委員会 (委員長松本治一郎,1955年,部落解放同盟改称) によって再出発した。これは同和運動と呼ばれ,その要請によって政府も 58年に同和問題閣僚懇談会を設置し,61年同和対策審議会設置,65年同審議会答申を経て,69年同和対策事業特別措置法制定と施策を前進させた。この特別措置法は,同和地域の産業振興,生活,福祉,教育の改善,充実,人権擁護の強化などを規定している。 82年,同和対策事業特別措置法は,地域改善対策特別措置法 (5年間の時限立法) に変った。

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百科事典マイペディア 「同和問題」の意味・わかりやすい解説

同和問題【どうわもんだい】

同和とは同胞一和の略で,現在もなお日本に存在する被差別部落民に対する経済的・社会的差別の撤廃問題。具体的には,自主的な部落解放運動に対して,政府による生活環境の改善,産業経済施設の拡充などいわゆる同和政策をめぐる諸問題をいう。その起源は1900年に始まるとされ,米騒動を経て1920年代以後融和政策の名による部分的・改良主義的・恩恵的施策が行われてきた。第2次大戦後は問題の総合的解決を図るため同和対策審議会,同和対策協議会などが設けられ,1969年同和対策事業特別措置法が制定された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「同和問題」の意味・わかりやすい解説

同和問題
どうわもんだい

部落問題

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