吐月峰柴屋寺(読み)とげっぽうさいおくじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吐月峰柴屋寺」の意味・わかりやすい解説

吐月峰柴屋寺
とげっぽうさいおくじ

静岡市駿河(するが)区丸子(まりこ)にある臨済(りんざい)宗妙心寺派の寺。天柱山(てんちゅうざん)と号する。俗に吐月峰とよばれ、古くから月の名所、竹の寺として知られる。本尊は十一面観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)。1504年(永正1)今川氏親(うじちか)によって創建され、連歌(れんが)師宗祇(そうぎ)の高弟である宗長(そうちょう)を開山とする。この寺はもと宗長の草庵(そうあん)で、京都銀閣寺を模した庭園は東山、天柱山、丸子富士を借景としたもので国の名勝史跡に指定されている。境内には京都から移植したという竹林の中に書院茶室がある。寺宝に足利義政(あしかがよしまさ)から贈られた芦屋釜(あしやがま)(文福茶釜(ぶんぶくちゃがま))、後水尾(ごみずのお)天皇宸筆(しんぴつ)などがある。

菅沼 晃]


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デジタル大辞泉プラス 「吐月峰柴屋寺」の解説

吐月峰柴屋寺(とげっぽうさいおくじ)

静岡県静岡市駿河区にある臨済宗妙心寺派の寺院山号は天柱山。1504年創建。室町時代後期の連歌師、宗長が閑居した草庵で、枯山水の庭園は国の名勝に指定され、竹林からのぼる月の風景で知られる。

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