吠える(読み)ホエル(英語表記)Howl & Other Poems

デジタル大辞泉 「吠える」の意味・読み・例文・類語

ほ・える【×吠える/×吼える】

[動ア下一][文]ほ・ゆ[ヤ下二]
獣などが大声で鳴く。「虎が―・える」
風・波などが、荒れて大きな音を立てる。「荒海が―・える」
大声で話す。わめく。どなる。「壇上で―・える」
雄叫おたけびをあげる。気合いを入れるために大声を出す。「マウンド上で―・える投手
[補説]書名別項。→吠える
[類語]鳴く嘶く囀る集く咆哮する遠吠えする時をつくる・喉を鳴らす・吠え立てる・唸るたけうそぶ鳴き頻る鳴き立てる歌う地鳴き笹鳴き蝉時雨虫時雨

ほえる【吠える】[書名]

《原題Howlギンズバーグの詩。1955年、サンフランシスコで行われた朗読会で発表後、他の詩編とともに翌年刊行。その際に、わいせつ文書にあたるとして告訴されるが、1957年に無罪判決となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吠える」の意味・わかりやすい解説

吠える
ほえる
Howl & Other Poems

アメリカの詩人アレン・ギンズバーグの詩集。1956年刊。1950年代アメリカのビート世代を一躍有名にした詩集で、サンフランシスコの小出版社シティ・ライツからわずか44ページの小冊子で出され、アメリカ中の若者たちの深い共鳴を得た。かつてのダダイスト詩人で精神科病院に入っているカールソロモンに献じられた冒頭の長詩「吠える」は、文字どおり高度管理体制下の病めるアメリカの姿に対する慟哭(どうこく)である。現代詩の大家W・C・ウィリアムズ序文で「婦人たちよ、ガウンのすそをかかげなさい。これから地獄を通るのだから」といっている。ほかにホイットマンに呼びかけた「カリフォルニアのスーパーマーケット」や「ひまわり経典」が含まれている。

[新倉俊一]

『諏訪優訳『増補ギンズバーグ詩集』(1980・思潮社)』

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