精選版 日本国語大辞典 「否や」の意味・読み・例文・類語
いな‐や【否や】
[1] 〘感動〙 (「や」は詠嘆)
② 驚いたり嘆いたりする気持を強く表わすときに発することば。いや。いやこれは。これはまた。これはこれは。
※落窪(10C後)一「いなや、この落窪の君のあなたにのたまふことに従はず」
[2] 〘副〙 (「や」は疑問)
① (「…やいなや」の形で用いる。漢文訓読語法として発生したもの) 問いかける気持を表わす。どうであろうか。そうであるかないか。そうするかしないか。
② (「…といなや」「…やいなや」の形で) 同時に、または引きつづいて、ことが行なわれるさまを表わす。…と同時に。…とすぐに。ただちに。
※虎寛本狂言・惣八(室町末‐近世初)「来るやいなや〈略〉何やらむつかしい料理を云付られたが」
[3] 〘名〙 ((一)の用法が転じたもの)
※滑稽本・八笑人(1820‐49)四「外お出入の衆が残らずお受をいたしましたに、わたくしばかり、いなやを申しましては」
※和英語林集成(初版)(1867)「Inaya(イナヤ) ヲ キク」
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