吾吟我集(読み)ゴギンワガシュウ

デジタル大辞泉 「吾吟我集」の意味・読み・例文・類語

ごぎんわがしゅう〔ゴギンわがシフ〕【吾吟我集】

江戸前期の狂歌集。10巻。石田未得いしだみとく著。慶安2年(1649)成立古今和歌集をもじり、部立てもそれに倣う。

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精選版 日本国語大辞典 「吾吟我集」の意味・読み・例文・類語

ごぎんわがしゅう ゴギンわがシフ【吾吟我集】

狂歌集。一〇巻二冊。慶安二年(一六四九)の成立。石田未得(みとく)作。題名は「古今和歌集」のもじりであるが、仮名序をもじった序文巻頭にかかげ、部立もまたそれにならう。近世初期に流行した滑稽模作(パロディ)の風潮を反映し、軽妙さをねらった作が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「吾吟我集」の意味・わかりやすい解説

吾吟我集
ごぎんわがしゅう

江戸初期の狂歌集。上下2冊。石田未得(みとく)著。自序。1644年(正保1)成立、同年刊行か。京都前川権兵衛刊。江戸の俳人としても聞こえた未得が、自作の狂歌628首を、四季、賀、恋、世話、雑、廻文(かいぶん)に分類編集したもの。書名をはじめ「やま田歌は人のとる早苗(さなへ)を種として、あまたの稲の言の葉とぞなれりける」に始まる長文の序文から巻頭歌「年の内の春にむまるるみどり子を一つとや言はん二つとや言はん」に至るまでそっくり『古今和歌集』を模してある。狂歌史上初の一作者による公刊家集であり、所収作品も趣向を凝らし想を練り当時としては優れている。書名(『狂歌集要』とも)や版元版木を変えつつ幕末まで刊行された。

森川 昭]

『『近世文学資料類従 狂歌編2』(1977・勉誠社)』『『狂歌大観1』(1983・明治書院)』

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