呉方言(読み)ごほうげん(英語表記)Wu dialect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呉方言」の意味・わかりやすい解説

呉方言
ごほうげん
Wu dialect

中国語の五大方言の一つ。呉音系ともいう。浙江省江蘇省に約 9000万人の話し手をもつ。中心地は上海蘇州で,独自の方言文学を有する。古くからの文化的中心地の一つであり,呉方言の地位は高い。中古音の全濁音に対応する有声子音b,d,gを保存しているのが特徴。声調は陰入,陽入を加えれば7種。声化韻だけで音節をなす子音が豊富である。母音も多いが,韻尾は単純化している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の呉方言の言及

【中国語】より

…ローマ字つづりのもつ〈意味喚起性〉は,たとえ声調の助けを借り,単音節語彙・複音節語彙の書分けがあったとしても,なお漢字のそれに比べて極端に低いといわなければならないのである。漢字
【方言】
 1960年に出版された袁家驊ほかの共著《漢語方言概要》は現在の中国方言を(1)北方話,(2)呉方言,(3)湘(しよう)方言,(4)贛(かん)方言,(5)客家(ハツカ)方言,(6)粤(えつ)方言,(7)閩(びん)南方言,(8)閩北方言に8大別する。
[北方話]
 かつてのいわゆる〈官話〉つまり官用言語と呼ばれたものを中心にするということで官話方言と呼ばれることもある。…

※「呉方言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android