和僑(読み)ワキョウ

デジタル大辞泉 「和僑」の意味・読み・例文・類語

わ‐きょう〔‐ケウ〕【和×僑】

中長期的に外国に居住し、生計を立てている日本人を呼ぶ。華僑になぞらえた語。特に、香港中国本土・シンガポールなどのアジア地域に移住し、現地で起業した日本人をいうことが多い。→日僑

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「和僑」の意味・わかりやすい解説

和僑
わきょう

日本以外の国に中長期的に居住し、現地で生計をたてている日本人の呼称。アジア、とくに中国を中心とした地域で起業した日本人という意味で使われることが多い。wakyoとも表記される。外国に居住する中国系移民を表す呼称「華僑」に倣ったものである。和僑は、海外で起業する日本人を支援しようと、2004年に香港(ホンコン)で発足した非営利団体、和僑会が団体名に用いたことから広く知られるようになった。中国本土には上海(シャンハイ)、北京(ペキン)、広州(こうしゅう)、大連(だいれん)などに和僑会の拠点があり、2014年11月に香港で開かれた和僑会創立10周年世界大会には、11の国と地域の23拠点から約400人が参加した。

 アジアで活躍する日本人が増加する背景には、1970年代以降に生まれた世代が、日本で就職氷河期を体験したこと、日本式のビジネスを生かして起業する場所として、アジア地域を目ざす人が増えたことなどがあるとされる。起業している業種は幅広く、日本で培ったノウハウが生かせる貿易や生産管理業務、アジア地域では競争相手の少ないケーキやラーメンなどの専門店、美容やデザイン会社などが比較的多い。

[編集部]

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知恵蔵mini 「和僑」の解説

和僑

海外進出した起業家企業駐在員など世界各地に居住して活動する日本人の呼称。中国国籍を持ちながら海外に居住している「華僑」にちなんだ造語。2004年に香港で発足した日本人企業家による非営利団体「和僑会」が命名した。和僑は13年頃より増加傾向にあるとされ、東南アジア、中国、日本の24都市(13年現在)に拠点を持つ和僑会が情報提供や各種勉強会の実施などの支援を行っている。

(2014-1-6)

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