和声学(読み)わせいがく(英語表記)theory of harmony

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「和声学」の意味・わかりやすい解説

和声学
わせいがく
theory of harmony

音楽理論上の一分野。和声についての学問で,科学的,分類学的な意味と実用的作曲技法の手引としての意味がある。和声学としての最初の文献は G.ツァルリーノの『和声教程』 (1558) で,18世紀の J.ラモーの『和声論』 (1722) にいたって,和音転回,和音における主音属音,下属音の機能が認められ,近代和声学への道が開かれた。 19世紀には和音記号の新しい考案を含む G.ウェーバーの和声学,H.リーマン,A.エッティンゲンの二元的和声理論を生んだ。 20世紀に入って非調性音楽が発達すると,その和声の解釈としての和声学が生れたが,これはいまだ試論の域を出ず,体系的なものにはなっていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android